表象文化論学会第9回大会

今週末に駒場で開催される表象文化論学会第9回大会の「接触表象文化論──直接性の表象とモダニティ」というシンポジウムに(非会員ですが)登壇します。同大会のポスターはコチラです。相変わらずカッコイイですね。あっ、今よく見たら「フォントが一番大きいセッション」じゃないですか! お声掛けいただき、誠にありがとうございました。
感性学における「接触」、というのが当初の役回り(お題)だったのですが、「接触」を外側から眺める視点も必要だろう(何でもかんでも「接触=触覚に回収」する傾向から距離を取るためにも)と考えたこと、また非−接触型知覚の代表と言える聴覚の「近代的意義」を、このシンポジウムの主旨と突き合わせて(対決させて)みたかったこともあり、「接触から震動へ──〈響き〉としての内面性の誕生」というテーマでやらせていただくことにしました。「接触」そのものを深める視点は出せないかもしれませんが、それは他のパネリストの皆さんにお任せするとして。「触覚(および視覚)=接触パラダイムと「聴覚=震動」パラダイムを対決させ、その両者の緊張関係の中で「近代」の誕生を把捉する、という以前から私が関心を寄せてきたトピックを、久しぶりに正面から展開する機会が持てて嬉しいです。もちろん実際にはこれら二つのパラダイムは折り重なる部分もあり(聴覚を「接触」として理解・説明することも可能)その辺りが話のオチとなる予定。音響物理学と聴覚生理学がいつどこまで足並みを揃え、いつからどのように袂を分かったのか、という問題もこれに絡んできます。
表象文化論学会での発表は、2005年の設立準備大会のときにやはりシンポジウムに呼ばれたのが最初にして最後であり、その後「入る、入る」と言いながら、一度も会費を払わないまま今日に至っております。関係各位には誠に申し訳ございません。近々(諸々身辺を整理しつつ)必ずや入会いたします。
今年は(ここ数年ずっとそんな調子ですが)「呼ばれたところに出掛けていく」のが精一杯で、自分が会員である学会で自発的に発表のエントリーをするには、到底及びません。ホント、情けないことです。現在の学内的肩書きが外れたら、また「現役復帰」する予定です。また今年の夏以降の学会発表や講演は、カナダ、ドイツ、ブルガリア、フランスと、すべて日本以外となります。また(余裕があれば)ここでもご案内します。というわけで、先に謝っておくと、九州に行けなかったらスミマセン(たぶん行けません)。
例のシリーズ本の第三巻(最終巻)も、すでに一旦私の手を離れたところで作業中ですので、これも遠からずお見せできるかと思います。
今年は「攻めの厄年」をモットーに頑張ります。
[2014.7.10追記]
当日配布したハンドアウト接触から震動へ──〈響き〉としての内面性の誕生」をココにアップしました。当日はたいへん盛況で、私としてもたくさんの示唆・刺激を得ました。ありがとうございました。