近況その2(ニック・ザングウィル来日編)

イギリスはダラム大学の教授で分析美学の研究者であるニック・ザングウィル(Nick Zangwill)氏が来週、京都・大阪方面に来ます。
ニックとは私が東大で助手をしていた時代に知り合い、私が修士論文で研究したエドゥアルト・ハンスリックという音楽美学者・批評家がたまたま彼の関心と重なったこともあって、私の研究室の仲間と一緒に色々と議論をしたり食事をしたりした仲間です。といっても、ほとんど一緒に酒を呑んだ記憶と記録(写真)しか残ってないのですが。
良くも悪くも大ざっぱな人で、連絡とかも実に素っ気ない。今回も三月末にいきなりメールが来て「四月後半に京都に行くんだけど、何かする?」と。もうちょっと早く連絡をくれれば、もう少し考えることができたのにーと内心思いながら、まあウェルカムだと言うしかないわけで、そこから本日までバタバタと諸方面のご協力も得ながら、動いています。
今のところ、4月21日(木)に立命館大学衣笠キャンパス)で、音楽美学に関するセミナーと哲学・現象学に関するセミナー(もしくはレクチャー)の二つのイベントを行う予定です。前者は私がコーディネートし、後者は文学部の方々にお任せする予定です。企画にあたっては先端研および文学部の学生と教員の皆様に多大なご協力をいただいております(多謝!)。どちらにせよ時間が無いのですが、詳細が決まり次第、告知します。どちらも学外者にもオープンにしたいなと考えています。
またその前日の20日(水)には京都大学でやはり何らかの企画があります。中心になっているのは文学研究科の哲学・科学哲学関係の方々ですが、これも詳細は近々決まると思います(オープンなものになるかどうかは知りません)。また、どうやら今回の来京(来日)は京大がホスト役のようでして、立命館はあくまでもその脇役の位置づけです。
というわけで20日と21日の予定は(細部は調整中とはいえ)フィックスです。
なおニックからは追伸で「4月25日から28日まで大阪に滞在するのだが何かできないか?」とも言われまして、今これを検討中、より正確に言えば「募集中」です。大阪方面の哲学研究者の方で関心がある方はぜひ吉田までご連絡下さい(あるいは京大の伊勢田さんまで)。私の公開メールアドレスはこちらです。
ニックのメールアドレスを教えますので、直接連絡を取ってもらってもいいですし、私が間に入ってもかまいません。
ニックは、私のようないいかげんな人間と付き合ってくれているところからも分かるように、形式張ったところがまったく無い人でして、ふらっと研究室に入ってきて、立ち話をしながらいつのまにか議論を始めている、というようなコミュニケーションに大きな知的喜びを見出す人です。ですから、大袈裟に研究会のような形式にせずとも、ゼミに呼んで話してもらうとか、オフィスアワーに参加してもらうとか、そういうかたちでもいいと思います。なお基本的に哲学・美学が専門ですが、ココをご覧いただければ分かるように、業績および守備範囲はめちゃくちゃ広範な人です。
阪大や関大などにニックの直接の知り合いがいて(私の頭越しに)実はもう着々と決まりかけている、というオチを期待したりもするのですが、なにぶんその辺りの情報も乏しくて困っております。関連分野(とくに私とまったく畑違いで一切面識のない、哲学系や倫理学系、認識論系)の研究者や学生でここをご覧の方がおられましたら、どうかよろしくお願いします。ニックが京都・大阪に滞在中は、私もできるだけ予定を空けて、道案内や通訳等(力量は期待できませんが)のサポート役を務める覚悟ですので、その辺も込みで、どうぞお気軽にお申し付け下さい。
それと明日は「近況その3」として多少デカイ話をしますので、お楽しみに(笑)。