テレビゲームの感性的論理(神戸大学、2010.11.13)

テレビゲームの感性的論理──ニューメディアと文化
日時:2010年11月13日(土)13:00〜
場所:神戸大学文学部学生ホール
研究報告者:太田純貴(京都大学)、河田学(京都精華大学)、吉田寛立命館大学
「80年代の登場以降、急速に我々のあいだに広まったTVゲーム。この現代的なメディアのもたらす身体経験と想像力について、吉田寛氏(立命館大学大学院)と河田学氏(京都精華大学)のお二人を報告者としてお招きし、議論します。皆様のご参加をお待ちしております。」(神戸大学ウェブサイトより)
「80年代より登場したテレビゲームは、既存の学術領域には収まらないほど、現代のメディアとして私たちの日常に深く浸透している。本フォーラムの狙いは、そうした現状の中でテレビゲームにおける身体的経験、あるいはそこから生み出される想像力とは一体いかなるものなのかを問うことにある。」(チラシ文面より)

以前チラッとお知らせしました、ゲーム関係のフォーラムです。
美学会の懇親会で神戸大学の関係者とタイトルとか主旨とかをざっと打ち合わせして、その後ふとホームページみたら載ってました。速っ。大体これから一ヶ月後ですね。
神戸大学大学院人文学研究科の大学院教育改革支援プログラム(GP)「古典力と対話力を核とする人文学教育──学域横断的教育システムに基づくフュージョンプログラムの開発」の一環だそうだ。ふーん、そんなGPやってたのね。どこも大変ね(笑)。「古典力」って言葉、初めて聞いた気がする。あと「フュージョンプログラム」も。ちょっと流行らないと思うな(笑)。
さておき。
神戸大学のウェブサイトには二人の名前しか載ってませんが、若きドゥルーズ研究者の太田さんも含めて三人でやります。彼は触覚論をやっているから、そこからのアプローチでしょうか。河田さんはご存じ、この本ゼビウス論文を書いている文学研究・フィクション研究の方で、ちょうど今(2010年度後期)先端研で授業を持っていただいております。
絶対に面白いから、みんな来てね。
といいつつ、私は何について喋るかまだ決めかねてますが、せっかく美学関係者が(おそらく)集まるわけだから、テーマは大きく出て、ビデオゲームにとって「リアル」とは何か、というようなことをこの機会にみんなで考えたいな。題材としては以前書いたスクロール論を踏まえて、最近そのことばかり考えている3Dの問題でいこうかな。
先日、某財団の研究助成に応募した課題が「初期ビデオゲームにおける擬似3D表現の再評価」というものなんですね。そういうこととか。あるいは現在、立命館の理工系の画像処理の専門家と滋賀医大の小児科等の専門家たちと一緒に、産業界寄りの3Dのプロジェクトをやっているのですが(JSTの開発事業助成は外したけど)そこに唯一の人文系の人間として参加していて出会ったおもしろエピソードなどを交えて。3Dの「定義」が意外に専門家の間でもきちんとできてないな、でもそれを指摘できる人間って結局哲学者(この場合オレ)しかいないんだな、という話など。
ああ、こうやって書いていると、今すぐにでも読みたい論文が幾つかあるんだけど、ぐっと我慢。そちらに頭を向ける前に、まだ三仕事、四仕事くらい残ってるので、ひとまずそいつらをやっつけてから、戻ってきます。
あと直接関係ないですが、あまりご紹介する機会がないのでここで書いておくと、任天堂知的財産権関連の(今のところ一応、学内)プロジェクトを私が世話役として立ち上げました。例の「伝説化」しているアタリ裁判とかを含めてファミコン時代の任天堂法務部(NOA=Nintendo Of Americaを含む)の活動をアメリカ側の裁判記録などを洗って(この辺は法学部の知財権専門の方にお任せして)きちんと文字化する、という作業で、成りゆき上というか立場上、私が世話役に。ぼちぼち動き始めています。私の主たる関心はあくまでもビデオゲームの「感性的」な部分にあり、今回のフォーラムもそれが主題ですが、一応その「周辺」としてそんなこともやってると。
そういえば、これまでビデオゲーム研究のアウトプットは基本的に立命館の中でやってきたので、学外でプロとして(この場合お金もらってという意味だが)ゲームについて何かやるのって今回が初めてかも。その意味で私の今後にとっても何かメルクマールになりそうな予感。
明日(今日)はうちから徒歩五分のギャラリー(@KCUA)でやる「中東欧美術のいま」ってレクチャーを聴きに行って、明後日は坊さん兼音楽学者の某知人の案内で、西本願寺で普通の人は見れない(入れない)国宝や文化財を見てきます。これが朝早いんだ。しばらく忙しかったので、子供たちと過ごす時間も作りたい週末。だが週明け、月曜、火曜と一つずつ締切がある。大丈夫だろうか。とりあえず寝るか。
[2010.10.21追記]視聴覚文化研究会のサイトでも詳細(最新情報)が掲載されました。どうやら「第二〇回視聴覚文化研究会」という位置付け(共催?)でもあるらしいですね。議論をする相手、一緒に考える仲間としてはもっとも望ましいと思います。