ハイ、コレ読みましょう。

21世紀COE(2002年〜)、グローバルCOE(2007年〜)の後にやってくる国家的大学研究施策の構想は「リーディング大学院」とのこと。
で、何だそりゃと思って検索してもネット上には情報がほとんどないし、大学人の話題にもまださほどのぼっていない言葉ですが、今から数年後(下手すりゃ来年とか)には大学人の皆さんは確実に(G30と並んで)この言葉に振り回されていることでしょう。
(そういえばG30も大学人以外には意味が分からない(別の意味を持つ)業界用語ですけど、グローバル30のこと。もっとも「仕分け」られた結果、G13になりましたが。)
ソースは、さる4月28日に国家戦略室が文部科学省からヒアリングを行った際に、文部科学省が示した資料。
・「成長戦略事務局チーム 文部科学省ヒアリング 概要」がコレ
・「文部科学省 ヒアリング事項」がコレ
・「新成長戦略「施策ヒアリング」説明資料」がコレ
・「参考資料集」がコレ
これらの全部に「リーディング大学院」は出てきます。ハイ、みなさんしっかり競争して、ますます少なくなるパイをますます熾烈になる競争を通じて奪い合って下さいね、トップ大学だって油断できませんよ、ますますしめていきますよ、というそんな「新成長戦略」。いつも本当にありがとうございます。
とはいえ文科省(含む関係諸法人)の人達だって今必死だろうから、「敵」が見えにくい構造だな、これは。資料見る限り、その一環で学振とかは増やす方向みたいだしな。ただし、錦の御旗としての「若手支援」は(つねに)要警戒。出口問題の解決が合わせて提示されないならなおさら。
参考になるツイッターココ、ブログはココ。というより、ネット上にも(まだ)これくらいしか情報がない。もう発表されてから一ヶ月以上経つのにね。
将来振り回される度合いをできるだけ軽減するためにも、今から目を通して傾向と対策を考えておきましょう。オレはそれさえも気乗りがしないが。
あと、話ずれるけど、最近ここもすっかり「お役立ちブログ」(誰にとってのか知らないけど)みたくなっていて、それもまた自己嫌悪の種。
この前、東京からやってきた知人(アルメニア研究者。求職活動中)と話していて、「人間、ギリギリ喰っていけてる状態が、一番要注意だよね」という話になった。喰っていけない状態だと色々考えて吠えてるくせに、それがギリギリ喰っていける状態に移行すると途端に牙を抜かれたように(最初から無いのもいるけど)おとなしくなり、何も考えなくなる。「奴隷」であることにどちらもさして変わりはないのに、だ。そういう人がわれわれの身のまわりにいる、という話だったのだが、ホントわれわれ(とくにオレ)も気を付けなくてはいけない。逆に言えば、ギリギリ喰っていける状態におくことが、支配する上ではもっとも合理的ということか。怖い話だが、昔からの真理なんだろうな。