最近起こった偶然

(1)新著の献本リストを作っていたら、ちょうどそこに名前を入れた人から、次の日、献本が届いた(これはありがち)。その日はネットなどで注文した本がたまたま四、五冊まとめて届いた日で、送り主などろくに見ずに、片っ端からバリバリと開封していたら、知らない本(自分に関係はありそうだが)が出てきたので「こんなの頼んでねーよ。すわ返品だ!」と思って、封筒裏の送り主を確認したら、事態が判明。大変失礼いたしました。ちなみにこの本。著者は東大時代の大先輩です。

(2)私にとって数年来の謎であった、オリンピックの芸術競技での日本人初のメダリスト(1932年ロサンゼルス大会)である「Eijiryo Naga」氏について、先日さる筋から情報提供があり、この人物の正体が判明した。じつは本名は「ナガ」ではなく、名字と名前の区切り方が間違っていた。オリンピック記録作成側のミスと思われるが、原因は不詳。「ナガ」で探していても分からなくて当然。で、もっとも驚いたのは、この人物の住所(現在は御子孫が住まわれているそう)が京都市内だったこと。何と私の自宅からものの十分少々の場所。通りの名前も同じ。私の中ではこのテーマは一度終わっていたのですが、これも何かの御縁というかお告げに違いないので、そのうち時間が取れたら、あらためて調査してみます。オリンピックの芸術競技で新書一冊くらいにはなるかなと前々から思ってはいたので、ぜひかたちに。

(3)駒場時代の友人(現在スイス在住の建築家)がこの度結婚するらしく、連絡が回ってきた。東京で式をやるとのことなので、祝電でも打つかと思って日を見たら、その日は私が美学会でたまたま東京にいる日で、なおかつ発表の日ではないですか。しかも本郷での発表が14:50に終わるのだが、その式は15:00から、場所は谷中で。これはむしろイケルじゃないですか! ということで、発表後、直行して、少し酒が入った状態で戻ってきて、美学会の懇親会に顔を出すと思われます(すべてうまく進んだらの予定ですが)。ちなみに宿は本郷に取ったので、この日はもう色んな意味でイク(註:「逝く」の意)っきゃないネ!
(3a)学生時代、よく集まるメンバー四、五人(多分四人)で飲んでいた。そんな話題が出ることは滅多にないメンツなのに、たまたま誕生日の話になり、お互いに聞いてびっくり。四人のうち、三人が同じ誕生日。しかも生まれた年まで一緒[訂正:建築家は1971年生。本人から指摘あり]。これは今後はありえない偶然だろう。そのうちの一人が上記の建築家で、もう一人は元・国立フィルムセンター研究員の映画研究者で、いまはオーストリア人と結婚してヴィーンに住んでるはず。三人目が私。久しぶりに旧友の顔を思い浮かべたら、そんな記憶が蘇ってきましたよ。基本的に人の誕生日とか覚えられない私ですが(両親のものも記憶していない)さすがにこの二人の友人の誕生日だけは今も覚えています。

(4)先日非常勤先の甲南大学に初めて行った際、数年来の知人である自称「B級メディア学者」のTomoyuqui氏(コメントしてくれた方ですが)とばったり(これも実はありがち)。おや、ここは関大か?と思うくらい、周囲の風景に溶け込んでいた。事務室の中で会ったのだが、こっちは初めて行く大学で右往左往しているのに、あちらは相当勝手知ったる様子で、何というか、もう車幅感覚や左折のときの内輪差まで完璧。聞いたら13年も非常勤として教えてるそう。まあそれは馴染んで当然だろう。本来事務の人に聞くべきことを全部教えてくれました。しかし曜日と時間まで重なるとは…。これはまた木曜日は(岡本、西宮辺りで)何か悪いことが始まる悪寒が! しかし13年ってすごいよな。私は最高で9年(国立音大)だな。ちなみにTomoyuqui氏、最近はiPhoneを(学生の分まで)大量に仕込んで、東京のIT企業と関西を往復する日々のようで、「B級メディア学者」とはご謙遜でしょうと言いたくなるほどの大活躍ぶりのご様子。えっ、そこで区切るんじゃない? 大変失礼いたしました。

他にも幾つかあった気がするが思い出せないので、思い出したら追記するか(わざわざしなくていいって)。

まあ、私の人生こんなのばっかりで、もとより偶然によって生かされている気がしてならないのだが…。