SUBJECT+Cirque TZARA
多摩美で昨年まで教えていた学生が、今もたまに授業に顔を出してくれます。
そうして、近況報告がてら、色々と面白い案内等を持ってきてくれたりします。
(しかも一限なのにです。皆様も朝早くからご苦労様です。)
週に一度、非常勤で行っているだけなのですが、こういうつながりができるのは本当に嬉しいことです。
美学の教師なんて、ブレインストーミングくらいしか美大生に貢献できないと常々思ってますので、
私が話したことが何らかの刺激となって、学生のアクションに結びついた、と想像するだけで教師冥利に尽きます。
今回は最近頂いた雑誌を二つ紹介します。
『SUBJECT サブジェクト 06』(多摩美術大学大学院美術研究科芸術学専攻研究誌)
芸術学科の阿部麻弥さん(音大出身生で歌手としても知られているみたいですね)が持ってきてくれました。
この雑誌は初めて見ました。
最初、数年前まで出ていた『issues』の後継誌かなと思ったのですが、第六号とあるし、違うみたいですね。
修了論文一覧なども載っているので、芸術学科全体の機関誌・紀要に近いものでしょうか(ネット上にもあまり情報がないようで…)。
阿部麻弥さんのケージ論「沈黙あるいは黒の黙示」と土屋誠一さん(多摩美芸術学科助手)の「高松次郎と「影」の論争」を興味深く拝読しました。
『Cirque TZARA』n. 1 par Club Tzara
現在日本でトップクラスのツァラ・ファン&研究家である築野友衣子さん(油画科の四年生、湘南美術学院の講師でもあります)から頂きました。
「詩人トリスタン・ツァラの世界」という彼女が主催するサイトでも宣伝しています。幾つかの書店にも置いてあるそうです。
ツァラ文献の翻訳者でもあるフランス文化学者・大平具彦さん、多摩美で芸術人類学を教える中沢新一さんなど、豪華な顔ぶれの執筆陣からは、築野さんのエネルギッシュな行動力がうかがえます。もちろん彼女自身の熱いツァラ論「透明について」も載っています。
装丁もめちゃくちゃカッコイイです。さすが。
若者に負けず、あたくしも頑張りたいですね。