CrossOver MacでBecky!が動く!

CrossOver Macはすごいです。
IntelMac上でWindowsのプログラムを走らせるソフトなのですが、WindowsのOS本体を必要としない点でBootCampやParallels Desktopとは発想が決定的に異なります。
MacのCPUがIntelなのであれば、基本的API(命令や関数の集合)をインストールしてやれば、そのままMacOS上でWindows用のexeファイルが動くだろう、という思想で開発されています。
動かないソフトや動作が不審なソフトもあるので、仕事でメインで使う大きなプログラムなら、Windows機やBootCampをお勧めしますが、小さなプログラムであれば、CrossOver Macは実に便利です。
実際、私がどうしてもWindows上で使わざるを得ないBecky!(最強メールソフト)とfoobar2000(曲間が切れないmp3プレーヤー)は、ご覧の通り、CrossOver Macを使ってMac上で動きました。すげー感動した!
BootCampやParallels Desktopが「エミュレーション」の域を出ない(つまりVirtualPCパラダイムを出ない)のに対して、CrossOver Macには諸OS間のシームレスな互換性、という新時代の可能性を感じます(もっともこのシームレスネス=透明性の背後には、良くも悪くもIntelの一人勝ちがあるわけですが)。多分これが完成に至れば、BootCampやParallels Desktopは誰も使わなくなるでしょう。
しかしそれにしても、まさかこういう形でMacWindowsが「統一」されるとは数年前には夢にも思わなかったですよ。
MacOS搭載の互換機が一頃出ましたがそれも一瞬で、AppleはOSの仕様を公開しないスタンスを保ったので、VirtualPCの逆、つまりWindows上でMacOSをエミュレートすることは夢のまた夢でした。BasiliskなどROMそのものを取り込むかたちのMacエミュレーターもありましたが、フリーウェアのせいもあり、実用性の観点からはどうも…という感じでした。
そう考えると、MacCPUのIntel化というのは結果的におそろしい戦略でしたね。もしMac上でMacWindowsのソフトが問題なく動けば(そしてWindows機でそれが出来なければ)多くの人はWindows機を買う理由がありません。そして実際、Appleは次期OS搭載のBootCampでそれを狙ってるわけです。Windowsを否定せずに(実際には否定してるわけですが)それを自らの一つのウリとして取り込んでいくわけですから、「抵抗勢力」を生かさず殺さず最大限に利用した旧小泉政権並みに、これは強いですよ。
MacOSにはウィルスがないから有利である、という説をよく耳にしますが、何のその、実はMacOS自体がきわめて先進的なウィルス(まるでSF漫画の『寄生獣』みたいな)だったというわけですね。
話が少し逸れましたが、何と言っても、MacBecky!が動くのは感動でした(日本語入力に難があるようなので、すぐにメインのメーラーとは行かないと思いますが)。