日本音楽学会第57回全国大会

・日本音楽学会全国大会(九州大学)に行ってきた。今年は発表の準備ができなかったので、発表を聞いて、人に会って、飲んで食べるという、ベーシックな(気楽な?)参加者。一番の目的は朝山さんの「デンクマール」論で、期待通り楽しませてもらいました。実はこのテーマは私もだいぶ前から興味を持ち、アウトラインを書きかけているものなので、先にやられて少し悔しくもありましたが。
・何ら不満を感じることのない、本当に素晴らしい大会運営でした。矢向さん、栗原さん、本当にお疲れ様でした。地方開催だけあって、参加者は決して多くないが、コアメンバーが集結した感じで、かえって良かったのではないだろうか。人との交流の面でこんなに満足した大会はこれまでなかったくらい。ちょっと変な話だが(別に発表やシンポジウムもやらないくせに)自分は本当に研究者仲間に恵まれているな、といつになく感じ入ってしまった(毎晩飲み過ぎたせいかも知れないが)。これまでメールや電話だけでやりとりをしていた人達何人かと初めて顔を合わせることができたのも、成果だった。やはりこの世界は狭いな、という実感は例年通りだが。
・福岡の街は、とても夜が遅い。地方都市のなかではダントツではないか。下手したら東京の渋谷や新宿よりも遅くまで人が出ているのではないだろうか。何でだろう。そのせいで、ホテルに帰るのはいつも二時過ぎ。とんこつラーメンを計四食も食べた。福岡は初めて行ったわけだが、中州、天神、長浜とだいたいの感じは掴めた。これもひとえに増田くん、沼口くん、東口さんなど、優れた行動力を持つ研究仲間達のおかげである。
・福岡が地元の学生から明太子のおみやげをもらう。九州に行って向こうで九州土産を頂いて東京に帰ってくる、というのも妙な感じだが、ありがたく頂戴する。中央卸売市場の後藤宏商店という初めて聞く店(といってもこちらはふくやとか全国区の店しか知らないが)のものだが、これが絶品。いわゆる「辛い」というのとは全然違うし。白飯のおかず、日本酒と泡盛のつまみ、パスタ、さて他には何にしようか。二歳児にはまだ食べさせられないので、二人だけで食べきれるかどうか不安。近所に分けるのも惜しいしな。
・ところで今年は学会の委員選挙の年で、次は通るよと前から脅されていたのだが、次点でセーフだった。今こんなにアップアップなのに、これで委員になったら、絶対スケジュール的に破綻するし、かつ学会運営をも破綻させてしまう危険性があるし、世代的にもちょっと早いですからね。と、ほっとするのもつかの間、次点が一人繰り上がったというニュースを今日耳にする。あと一人誰かが辞退したら、アウトである。そしたら私も辞退しようかな。などと冗談を言っていたのだが、一人繰り上がりが出たのは重大な理由からで、その方(常々お世話になってきた大先輩だ)のことを思えば、自分の勝手な都合なんて吹いて飛ぶようなものだ。本当にただただ一日も早い回復を祈るばかりである。
・昨日は九州から戻った足で、本郷に行き、終電近くまでたまっていた仕事をやる。今日は朝六時起きで、例によって多摩地方に遠征。九州に行く前から家族中で風邪をひいているので、授業はとても辛かった。で、モノレールで一駅寝過ごした。しかし何故ゆえ東京の私立音楽大学の近隣には新宗教の施設が多いのだろうか、などと思案しながら、罰ゲームのように歩く。明日は朝九時から新宿で打ち合わせ。なんと先方が指定してきたのがこの時間だ。この時間以外空いていないとのこと。オトナはすげーな。当たり前だけど上には上がおり、私の忙しさなどモノの数ではないな、と痛感。ただ、とりあえずは寝て、風邪は治さないと。