私の一週間(7/31-8/5)

7月31日(月)
 自転車二台で、久しぶりに家族三人でオーケー十条店に買い物に行く。このスーパーはとにかく安い。価格だけでなく、なぜ安いか、その理由もしっかり情報開示している。野菜も出来が悪いとその旨を明記した上で安くしている。安さだけではなく、例えば添加物使用が発覚した商品は、有名ブランドのものであっても、他のマイナー製品と入れ替えて、その旨消費者に知らせている。袋が有料なのは当たり前で、客は100パーセント、マイバッグ持参。こういうのはすごく新鮮だ。思想的にも共感できるところが多い。まあお客さんの多くは、単に安いから行っているのかもしれないけど。牛乳が130円台、ヨーグルトが110円台、カゴメの無塩トマトジュース210円代、ハーゲンダッツが170円台など、とにかく全て他ではありえない安さである。われわれが赤羽に住み始めて一年くらい経った時期に十条店ができた。最初はチラシの印象からよくあるジャンキーなスーパーかと思ったが、いざ行ってみて感激。直ちにメインストアになった。この春に新居に移ってからは少し遠くなったが、嫁さんも頑張って自転車をこいで定期的に通ってくれている。うちの家計が何とかやっていけてるのもまさにオーケーさまさまだ。食費だけでも月に一万円くらいは絶対得してると思う。

8月1日(火)
 娘のリトミック教室に同伴する。前回ゴールデンウィークに一緒に行ったときと比べて、格段に動きが積極的になっている。子供がすごいのか、先生がすごいのか、それともリトミックがすごいのか。午後から本郷に仕事をしにいく。中日の(隠れ)マジック50に。

8月2日(水)
 本郷。図書の梱包作業の最終回。終了後、手伝ってくれた学生に生ビールでもおごってやりたいと思いメトロに行こうとしたら夏休みだからか、夕方なのにすでに閉まっていた。唯一開いている中央食堂では発泡酒しかなく、しかも生はない、とのことなので、仕方ないからみんなで学士会館のビアガーデンに向かう。割高な印象がある上に蚊に刺されるので、私はあまりこのビアガーデンが好きではないのだが、幸か不幸か、同行した先生がやる気満々なので、結局みんなでついていっておごって頂くことに。途中で西洋史研究室の一団が助手を含めてやってきて、私に声をかけてきたので、そちらのテーブルに移動。互いの研究のことや学科の内情、学生の奨学金状況など情報交換。けっこう酔って帰宅。中日の(隠れ)マジック49。

8月3日(木)
 私にとって第二の故郷である北沢を数年ぶりに訪れる。結婚を転機に離れて以来、嫁さんを連れて行こうとずっと計画していたのだが、出産等によって無期限延期になっていたのだ。昔お世話になった東北沢の大家さん宅を御挨拶に訪れたら、私が引っ越した直後から奥さんが難病にかかって伏せているとのこと。元気だったのにショックだ。また当時常連だった池ノ上のお店(不動産関係のご主人は、引っ越さなくていいよう夫婦で住める家を近くに探してくれた恩人でもある)では(私一人はそんな久しぶりでもないのに)みんなで昼御飯を御馳走になってしまった。今回の帰省で、何か一つ人生の区切りがついたように感じた。その後、くそ暑いなかを下北沢まで歩いて、ぶらぶらして、古本や雑貨、子供用品などを眺め、喫茶店に入る。ただでさえ入れ替わりの激しい街なので、数年行っていないと隔世の感がある。しばらく前、駅前再開発に関する報道のなかで、この街に住むお年寄り達が「駅前でタクシーを拾いたい」という要望を出していると聞いたが(現状は茶沢通りまで出てから拾うしかない)、少子高齢化が進む割に、街あるいは行政の対応が相変わらず進んでいない印象は否めない(世田谷区には住宅のファミリー世帯向け優遇措置などもない。豊島区みたいな単身者向け住宅物件の抑制策もない)。代わりに、住民登録もしないような若者達がひっきりなしに流れてくる。彼らは彼女らは税金も払わないし、地域の活動にも参加しない。多くの場合は、住民同士のネットワークも形成しない。「世代間の均斉の取れた街作り」など所詮絵空事だとしても、今のままではこの街は遠からず自壊してしまう(三浦展さんの本では典型的な「下流」の街と言われていたっけ)。少なくとも、ここは子育てをする人にとって住みやすい街ではなさそうだな、と今回初めて思った。以前は機会があればこの街に戻ってきてもいいかなと考えていたのだが、私の視点も子供を持ってからすっかり変わってしまったようだ。そういえば下北沢の商店街にはペットショップがやたら増えていたけど、世田谷区内の子供の数よりもペットの数の方が多い、なんて悪い冗談はないよな。北沢小学校もだいぶ前から一学年で一クラスしかないというし。長く暮らした街として今でもひとかたならぬ愛情を持っているので、少し心配になってしまった。中日の(隠れ)マジック48。

8月4日(金)
 昼前、娘の記念すべき初プール・初ビキニ披露(笑)を見に、近くの児童館に同行。児童館の屋上に空気で膨らませるビニールのプールを四つ五つはって、紙オムツの付いた二歳前後の幼児達をそこに放流するのだ。大人でも素足のままだとコンクリートが焼けて踏めないような暑さだ。プール・デビューには格好の天気となる。昼食後、ポリープの組織検査の結果を取りに病院に行く。結果は良性とのことで一安心。大丈夫と分かっていても、やはり一抹の不安があったので。気分が楽になったので、娘を散歩がてら連れ出して、まるます家に寄って生ビールを一杯。ここ数週間毎日のように夕食時に飲んでいるせいか、娘がビールのビンをみると「ビ!ビ!」と言うようになったのだが、生ビールのグラスをみても「ビ!ビ!」を連発。どうやら泡や色などで総合判断をしているようだ。まだ色の概念はないようなのだが。それとも美学者の娘としてカント流の形式判断の限界を本能的に知っているのだろうか。その後、商店街を散歩してると、いつもの路地で焼きトンを売っていたので、また太るなと思いつつも数本買い食いしてしまった。分け前のない娘は不服そうに通りに仁王立ち。昨日の今日なだけに、赤羽のような開放的で庶民的な下町も今の私が住むには悪くないとあらためて思った。その後、前々からチェックしようと思っていた少々オサレ目の酒屋(ワインセラーが奥に設置されている)に入ったら、あにはからんや、キリンのハートランドが売っていたので、ワインや焼酎には目もくれず、三本買って帰る。もう片手の袋には激安店で買ったオリオンビール六缶セットと、エビスやブラウマイスターの缶がバラで入っていたので、ビールが入った重たいビニール袋を両手にぶらさげながら、さらにその手で時折娘を抱きかかえながら帰宅。

8月5日(土)
 実家の両親に車を出してもらい、オムツ等を買い出しに川口の赤ちゃん本舗にいく。着くまでに車のなかですでに皆、汗まみれに。強い日差しによる車内温度上昇に、クーラーをしても追いつかない。夏休みだし土曜日だし早めに行った方が道路も店もすいているし商品も残っているだろうとの判断で、午前中に行って正解だった。お昼過ぎには赤羽に戻って、午後はプチモンドでゆっくりと食事&お茶ができた。盆に実家に帰るわけでもなし、今日は夏の親孝行のつもりで孫とめいっぱい遊んでもらった。夜、食後にナイターを観ていたら、ドンドンと音がしたので思い出したのだが、今日は戸田橋&いたばしの花火大会。急遽、三人で外に出て、赤羽八幡の坂の途中から花火を見物。娘は初めての花火。事前に計画していれば自転車で河川敷にでも行ったのだが、まあちょっと楽しむにはこれで十分満足できた。細かいことをいうと、うちから見ると方角が重なるので、どっちが戸田でどっちが板橋の花火だか見分けがつかないのが難点。しかもお互いに張り合っているらしいから、混ざってしまうと元も子もない。まあただ見て楽しむには問題ないが。そういえば前の家(五階)のときは遠くに小さくだけど隅田川の花火が見えたのだが、この家ではまず無理だろうな。ちょっと残念。中日の(隠れ)マジック47。