私の一週間(6/12-6/18)

6月12日(月)
 本郷。出勤前に地元の商店街(赤羽一番街)で速水もこみちのロケに遭遇。もっともこの名前も後で知ったくらいで、その場では誰が誰だか分からず(「もこみちだー」というような言葉をその場で聞いたのだが、人の名前とは認識できず)。この街ではロケをしょっちゅうやっているので、多くの人は別に気にもしてない様子で歩いてる。私も自転車でその中を割るように通りすぎただけ。映画かテレビかは知らんが、監督らしき人の偉そうな態度だけが目に焼き付いた。研究室では蔵書のカビ問題の対応に忙殺された一日。どうやら娘の風邪が妻に転移した様子。あれだけ一緒にいたら仕方ない。しかも子供のなかで風邪菌が十分に成長して親に染るのだから、たまったものではない。私はほとんど風邪をひかない体質だが、覚悟しておこう。

6月13日(火)
 多摩美、国立音大で講義。多摩美一限では「ボードレールのいくつかのモティーフについて」のアウラ論を自分としては初めて取り上げる。無意志的記憶/意志的記憶、まなざすこと/まなざし返されることなど、ベンヤミン思想の核心的テーマとアウラとの関連がラフではあるがスケッチされている。ヴァレリーの芸術論を参照するのも面白い。ベンヤミンボードレール理解の全体像をこちらがちゃんと押さえていればもっと良かったのだが。国立ではR・シュトラウスの歌曲集のCDを借りて、依頼されたライナーを書くための資料とする。帰りの電車では学生の進学相談。

6月14日(水)
 本郷。妻の風邪が心配だったので、早めに帰宅。といっても七時半過ぎだが。妻の体調が悪いと聞いて、昼間、近所の友人がこぞって食べ物を届けてくれたそうだ。夕食はそのおこぼれに預かる。本当に持つべきものは友達だ。というか親密な近所付き合いがないと実家の助けなしで子育ては難しいのかも。これではますます赤羽から引っ越せないではないか。

6月15日(木)
 間違いなく今週の山場。桐朋、聖心で講義の後、神保町に移動して学会誌の念校作業。せっかく時間をかけるのだからと、ミスチェックでは済まさず、全部ちゃんと読む。学術論文を一気に六本読むのはけっこうキツイが、勉強になった。本読む時間もあまり取れないのだから、せめてこういうところで足しにしなくては。その後、飯田橋に移動して、音楽学会の某幹事の壮行会に遅刻して合流。学会事務センター問題でバタバタしてた二年前のことが色々思い出された。会長や関東支部長代行と久しぶりに飲む。というか飲み過ぎた。寝不足だと明日から辛いので、帰って風呂に入ったらすぐに就寝。しかし都心で早上がりだとその後の時間に幾つも用事がこなせていいなと改めて実感。これが多摩地区ではそうはいかないから。

6月16日(金)
 学科旅行一日目。早朝、雨の中、浅草に集合。子供の頃からCMで知っていた(そしていつの間にかCMを見なくなった)東武ワールドスクエアに初めて行く。世界の名建築物の25分の1ミニチュアが一堂に会するテーマパーク。実際にみんなでああだこうだ言いながら回ったら、事前に想像していたより遙かに面白かった。今年は中国、韓国の留学生も一緒だったので、互いの国からの文化表象についてチェックできたのもよかった(ただし模型によって人物の大きさが多少違うように思えるのは何とかして欲しい)。やはりゴシックはすごいというのがこの日の結論。その後、鬼怒川温泉に宿泊。せっかく露天風呂で溜まってた疲れを癒すも、例年のごとく明け方まで続いた飲み会で全てがパーに。だが今年の新入生はいろんな意味で期待できそうで嬉しい。晩に妻から、ミカちゃんが無事女の子を産んだとの嬉しい知らせ。近々お見舞いに行かなくては。よく考えたら、うちの弟と同じ誕生日だ。

6月17日(土)
 学科旅行二日目。滅多に来ないようなエリアに行こうとの判断から、日光・東照宮コースを取りやめて、川治温泉の辺りを散策。その後、再び鬼怒川温泉駅に戻り、昼食。普通電車でちんたら帰る。往路と同じでもつまらないので、一人で離脱して春日部で降車し、大宮経由で赤羽に帰ってくる。疲れた。帰ったら表象文化論学会関係のチラシやメールが届いていたが、今回は行けそうにない。

6月18日(日)
 せっかく久しぶりに家にいれるのに一日中雨。散歩にもいけず。仕方ないので昼間から机に座り、娘に邪魔されながら何とか原稿を一つやっつける。娘を風呂に入れて寝かせた後、原稿をFAXで送り、コーヒーを煎れつつ、せっかくゆっくりとワールドカップを観たのに、数時間前の巨人-楽天戦を上回るヘボ試合で、少なからず時間を損した気分に。ワールドカップ絡みの企業の株も軒並み下がってるらしいし、スポンサーへの気遣いもあるからあまりネガティブな雰囲気は作れないのだろうが、「日本ドローで決勝Tへの望みつなぐ」というようなテロップは報道機関としていかがなものかと。ブラジル戦の後は「日本惜敗[現実には頑張って0-2あたり]で2010年南アフリカへの夢つなぐ」などと出るのだろうか。皆さん色々と大変でございますね。まあ、私も大変ですけどね。