ラトビアでの「雪博士」展
プロセスアートで展示デザインを担当している田坂さんが、ラトビアの話を聞きたい、ということで、多摩美の現代芸術アーカイヴの荻島さんと一緒に、うちにやってくる。
(ちなみに私はmixiで「ラトビア&リガ」というコミュを作っており、今回の訪問はそれがきっかけとなった。結構、珍しいケースである。)
何でも田坂さんは、中谷芙二子の父で実験物理学者の「雪博士」中谷宇吉郎に関する展覧会(雪と氷をテーマにしたもの)を、今年の秋にリガの自然史博物館で企画しているそうだ(実行委員の一人、V・クラブチェンコ氏のインタビューが、7月1日の朝日新聞の「ひと」欄にも載っている)。
小国だから大使館レベルは当たり前として、磯崎さんとか高橋(悠)さんとかも個人的関心から協賛するらしく、結構、大きなイベントになりそうな予感である。
私にとってラトビアは、二年前のヨーロッパ訪問の際、数日、滞在しただけなのだが、日本で手に入る情報が相変わらずほとんどないらしくて、私の知っているリガの街事情(買い物、治安、食事、言語)だけでもありがたいそうだ。
記憶を辿りながら、そして民俗音楽のCDを聞きながらの、ラトビア談義は思ったよりも楽しかった。脳の日頃使ってない部分を使っている感じがした。その意味でも田坂さんに感謝である。旅先で買ってきたままほとんど眠っていた本やCDが実際に役に立つ、というのも嬉しいことだ。
日本ではラトビアに関するイメージ自体が存在しないので、キャッチコピーに困っている(そりゃそうだ)というので、とりあえず「歌う革命」を教えておいた。また今回の関係者は音楽好きが多いということなので、ラトビアの民俗音楽レーベルUPEも紹介しておいた。これをきっかけに、ラトビア音楽が日本でも密かにブレイクする、とは到底思えないが。
いまラトビアはEU加盟を迎えて、大きな転機を迎えているはず。日本の資本家への投資話も積極的だと聞く。人口200万の小さな国(日本人在住者14人)だがナショナル・アイデンティティはかなり強い。私はこの国を訪れて以降、「ネイション意識に最適な人口はどれくらいか?」という問いを考え続けている(少なくとも日本の一億人は「多すぎる」気がする)。
話が逸れたが、肝心の展覧会も、日程があえば、ぜひ行きたい。フィンエアーのチケットくれませんか。