日本ドイツ学会(新潟)&RCGS第三回定例研究会(立命館)

今週末に新潟で開催される日本ドイツ学会に参加します。
大会テーマは「音楽の国ドイツ?──音楽と社会」で、同タイトルのシンポジウムに私が出ます。
以下に書くのはシンポジウムだけですので、詳細な内容はこちらで。

第27回日本ドイツ学会総会・シンポジウム「音楽の国ドイツ?──音楽と社会」
開催日:2011年6月25日(土)
会場:朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター新潟市中央区万代島6番1号)→アクセスはこちら
シンポジウム「音楽の国ドイツ?──音楽と社会」(13:30〜17:30)
1:松本彰(新潟大学)「「音楽の国ドイツ」の成立と崩壊──市民社会国民国家・音楽」
2:吉田寛立命館大学)「混合趣味の盛衰と民謡の発見──十八世紀ドイツ音楽とナショナル・アイデンティティ
3:長木誠司(東京大学)「変容する市民文化のなかの「ドイツ音楽」」
4:高橋秀寿(立命館大学)「大衆音楽と空間表象」
司会:玉川裕子(桐朋女子高等学校音楽科)、渋谷哲也東京国際大学
コメンテーター:井上さつき(愛知県立芸術大学

私の発表要旨は以下です。

「混合趣味の盛衰と民謡の発見──十八世紀ドイツ音楽とナショナル・アイデンティティ
フランスとイタリアの音楽的趣味を折衷した「混合趣味」は、テレマンやグラウンなどドイツ人音楽家の得意技として十八世紀半ばに隆盛を極める。だが十八世紀後半以後、混合趣味はむしろ「非ドイツ的」として次第に退けられていく。それはヘルダーらの「民謡」の発見(ないしは創出)により、音楽における「ドイツ的なもの」のあり方が短期間で大きく転回し、「固有で根源的な趣味」が必要とされるようになったことの帰結であった。

私は非会員で、招聘されて話に行く立場なのですが、この機会に入会しませんかと誘われて迷っています。分野を問わずけっこう色々な方が会員のようです。
考えてみれば、新潟に行くのはおそらく生まれて初めてですね。
また同学会の機関誌の最新号に、私の本の書評が掲載されました。

江藤光紀『ヴァーグナーの「ドイツ」──超政治とナショナル・アイデンティティのゆくえ』[吉田寛著]日本ドイツ学会編『ドイツ研究』第45号、2011年5月10日.

それともう一つ。来週火曜日に、立命館大学ゲーム研究センター(RCGS)の第三回定例研究会が立命館大学衣笠キャンパス)で開催されます。もうじき公式サイトが立ち上がりますが、それまではここで(半オフィシャルに)告知します。

立命館大学ゲーム研究センター2011年度第三回定例研究会
日時:2011年6月28日(火)16:00〜17:00
場所:立命館大学衣笠キャンパス)アートリサーチセンター多目的室(→アクセスはこちら
(※入場無料・予約不要。学外からの参加者も歓迎いたします。)
「市販玩具を利用した新たな遊びの創作とその映像化の試み」
発表者:立命館大学映像学部上村・尾鼻ゼミ3回生および4回生ゼミ生
発表内容:「市販玩具遊びの映像化」作品
(1班:チョロQでカーリング、2班:カルタでポーカー、3班:ふーせんバレー、4班:チョロQでゴルフ、5班:たおせ黒ヒゲ、6班:ツイン・ツイスター)
発表時間:各映像について約5分ずつ(上映3分+コメント2分)
コンセプト:市販されている玩具を使用した新しいゲームを、3回生と4回生ゼミ生が協同して創作し、そのゲームの紹介を目的とした映像作品を制作する。
研究会の進め方:出席者全員に所定の評価シートを配布いたしますので、それぞれの作品について厳しい評価をお願いします。またできれば簡単なコメントもい
ただければと考えております。

今回の発表では、市販玩具を使って新たな「遊び」を創案・開発しようとしている、本学ゼミ生の取り組みを紹介します。本センターは当初は「ビデオゲーム研究センター」という名称にしようと考えていたのですが、あえて「ビデオ」を外して単に「ゲーム」としたのは、今回取り上げるようなデジタルゲーム以外の玩具やおもちゃ、いわゆるアナログゲームも視野に入れたいという判断からでした。本センターは、日本の学術機関としては初となるゲームの専門的研究センターとして発足したわけですから、せめてそこでの「ゲーム」の概念はできるだけ広く設定したいな、と考えております。
例によってギリギリな調子で、六月を乗り切れる見通しがようやく見えてきた…。