クリスマス&仕事納め

さて毎年恒例の説教臭いサンタさんの季節が今年もやってきました。
まず次女。去年サンタさんからプレゼントされたアンパンマンのパン屋さんを、あるとき「お片付けしないなら捨てますよ」と言ったら「捨てていい、いらない」と返してくるという愚挙に出たので廃棄(=私の書斎に没収)しました。で、今回の設定は「お母さんがそれをお外に捨てたら、たまたまサンタさんが拾ったので、もし今後お片付けをちゃんとするなら、もう一度あげます」というもの。代筆係(長女)を通じて、今後は片付けるのでもう一度欲しいという旨をサンタさんへのお手紙で宣言し、無事にもう一度もらいました。ただし、サンタさんも一応オトナなので、去年のおもちゃをそのまま「裸」であげるのはどうかと思い、布製の大きなサンタさん袋(正式名知らず)に入れて枕元に置いてありましたとさ。それと細かいアイテムたち(これが片付かない元凶)を入れる用のケースも新たに買って(細かいアイテムは予めそこにしまって)一緒にプレゼント。これで今後はちゃんとお片付けができればサンタさんも本望なのですが。外見も中味もそのまんま妻である長女と違い、次女は性格的に私(しかも現在の私)そのものなので、もう私目線でビシバシと鍛えます。
でも、この「捨てたものをサンタさんが拾ってきてもう一度あげる」というアイデア、実は一旦思い付いたものの、単なる夫婦間のネタで終わりかけてたんですね。それをやったら長女が絶対に幼稚園でバラすし、その後の他の親や先生たちからの「ははーん、あの家、うまくやりおったな」的な視線(笑)がイタいだろうなと(妻いわく)思いまして。で、止めようかと思ってたときに、たまたま私がそのアイデアをうちの学生たちに話したんですね。そうしたら学生たちが「ぜひそれでいくべきだ」と。そのときは文脈的に(思いっきり圧縮していうと)「私は「身内」に厳しい(=「他人」には甘い)から、自分の学生にも、うちの子どもにも、同じくらい厳しくあたるのですよ」という話をしていた手前、こちらも子どものことだからといって断れず(笑)「よし分かった、やっぱり今年はそれでいく」とその場で宣言。その日の晩に妻からも合意を得て、さっそくサンタさん袋とケースを買いに行くことに。まあおかげで今年は安く付いた。しかし「サンタさんからもらったおもちゃを捨てて、それをもう一度サンタさんからもらう」子どもって、これまでいたためしがあるでしょうか。
一方、長女は、プリキュアのおもちゃ(電池で動いて喋ったりするヤツ)が欲しいとか言い続けていて、サンタさんへのお手紙にもそう書いてあったのだが、サンタさんとしては思いっきり無視して事典的な本を二冊(なぞなぞ百科みたいなコレと、ドラえもんのひみつ道具大事典)プレゼントすることに。なぞなぞ本については「言葉によって言葉を定義・説明する」訓練を(今けっこう本人がはまってるので)もっと積んで欲しいから。ドラえもん事典については、テキスト(マンガの単行本)に対するリファレンスな本の使用法(その快楽)を経験してもらいたいから(単純に両親が読みたいというのもある)。ただ、本人が公言しているものと違うものをサンタさんが持ってくるというのは、生まれて初めてのことで、これはちょっとした試練のよう。この問題については、同封の手紙の中で、「サンタさんは○○ちゃんが心の中で本当に欲しいと思っているものを知っていますので、それをプレゼントします」というレトリックを用いて解決することに。むろん精神分析の初歩的応用である。そしたら夜には「これが欲しかった」って言ってましたよ。朝起きて袋開けたときには「こんなのが欲しかったんじゃない」とブツブツ言ってたくせに。世の中は広いから、中にはやっぱり「○○ちゃんが本当は欲しいと思っていながら──〈父〉は知っています──いつも手に入れ損なっている〈対象a〉をあげます、でも糞尿ではないから安心してね」とか書いてくる正統ラカン派サンタさん(笑)もいるのかしら。
もっともこれだけではあまりに安上がり(とくに次女は)でサンタさんも多少罪悪感を感じる上、斬新性という点でも(とくに次女は)皆無なので、二人が持っている人形(メルちゃんシリーズ)用のパジャマをお揃いで付けてあげました。「ふたりにおなじパジャマをあげますから、ぜったいにけんかしてはだめですよ」と手紙に書くという、どこまでも説教臭いサンタなのでした。
さて一方、私。今年の仕事納めは某誌に掲載予定のユニヴァーサル・デザイン関係の論文。だいぶ手こずりましたが、無事に脱稿しました。400字×30枚くらいで書くつもりだったのだが、終わってみたらほぼその倍。その辺もスケジュールがずれ込んだ原因だな。でもこれで2010年は(多分、記憶する限り)依頼された原稿を一本も落とさずに無事に乗りきりましたよ。お父さん頑張ったよ、うん。その代わり自主的仕事(自分の本の執筆や文献読みとか)の進捗が芳しくなかったわけですが。
本来これが終わらないと十二月に入れないはずだったのですが、一応完成したのが昨日の午後六時。世間はいわゆるクリスマス・イブまっただ中ですよ。2010年における私の(体感的)十二月は実質、一週間ということです。年賀状も何もかもこれからですよ。サンタさんのプレゼントは寸暇を盗んで(←本当ですよ)事前に準備しておいたのでセーフでしたが。編集サイドにも多大な迷惑をかけており、終いには編集責任者がtwitter上でラテン語(!)で(私含め数名を)名指しで督促し始める状態でしたので(ラテン語の公的な使用目的としてはむしろ正当と思いますが)お互い、色んな意味でギリギリでした(笑)。本当にご迷惑をおかけしました。
で、昨晩は佐藤さん宅で美学・表象界隈忘年会があったので、原稿をメールで送った後、カゴに500ml缶のビールを四ダース(全員分のビール担当だったので)ほど積んだ激重の自転車を必死こいて漕いで駆けつけました。私は今回は単身参加でしたが、前川さんの奥さんや、河田さんのご家族(お子さんも)と初顔合わせできたのが収穫だったですね。『指紋論』の橋本さんともお会いできて、今後の作戦会議も含めて、色々とお話しできました。皆さんお疲れ様でした&ありがとうございました(とくにホストの佐藤さんご夫妻)。私は中座いたしましたが、お子さんたちはあの後、大丈夫でしたでしょうか。
で、こういうクソ忙しい(というよりスケジュールが破綻してる)年末に限ってどういうわけか忘年会が多いんだよな。公私合わせて、すでに五、六回やったんじゃないか、今年は。去年は二、三回くらいだったと思う(もう忘れたけど)ので、その倍くらいの印象。当方、秋の健康診断の血液検査で「きわめて異常」値が出て、保健センターから呼び出しくらってる身なのですが、とりあえず年内に出向くのはヤバそうだから止しといて、新年に入り一週間くらいアルコール抜いてから、万全を期して再検査に行きます(キリッ
そんなわけで今日がようやくうちの家族のクリスマスでした。論文書きが昨日で終わってなかったらどうなっていたか、想像すると怖いですね。いつもながらの、そんなギリギリ人生。今日は四人で、河原町教会で午前のミサにあずかり、BALの無印カフェでお昼ご飯食べて(そういえばオレ、今回の論文で無印のことを(少々批判的に)書いたよなと思い出し)、ロフトと無印とジュンクで買い物して、予約していたケーキをここに取りに行って、ケーキを食べて、絵本読んでやったりCDかけて躍ったりと久々に子どもたちとたっぷり遊んで、うちではほぼ一年に一度くらいの超豪華ディナーを作って、夫婦はシャブリ開けて、たらふく食べて、私が子どもたちを風呂に入れて、妻子ともども寝かしつけて、今ここにいたっております。
学内・学外を含めて細々とした仕事はまだまだ残っていますが、遅ればせながらようやく私も年末っぽい気分になってきました。明日は午後から京都市芸大で某学会の会議。非常に気乗りがしないが、会場が近いので(あと一応原稿が終わったので)仕方ないから行く予定(笑)。明日中には年賀状作りたいな。