例のアレを初体験

今年は、京都に来てから三年目で初めて、祇園祭(まだ続いてるんだけど、その山場的なところを)をちゃんとみた。
正確には覚えてないが、昨年までは宵山山鉾巡行が平日で、仕事があったためにみられなかったような記憶がある。
今年はちょうど16日、17日が金土で、しかもそれに連休が続くという、京都観光産業的には、きわめて理想的なスケジュール。また金曜の昼までに雨も上がった(梅雨が明けた)ので、晴天(炎天下)の山鉾巡行。これもけっこう珍しいのではないか(ここ数年だけでも、いつも雨という印象がある)。私も来週はまた仕事でスケジュールが全滅なので、今年はラッキー。来年以降もどうなるか分からないので、せっかくだからということで、出不精をおして&仕事を放擲して、連日外出。
昨夜の宵山は地元の友人邸(四条西洞院にあり、ちょうど蟷螂山のお膝元)を拠点にして、深夜まで子供を連れて買い食い三昧。ここ三日間連続で付近で買い食い生活をしているという友人の案内で、ハートランドの生ビールを出しているという店(屋台ではない)でビールを買い、祇園祭限定の豚まん(やはりお店、名前は失念)をほおばる。この手の、屋台以外で供給される食べ物が滅茶苦茶うまい(もちろん予めその店を知ってないとダメだが)というのは、祇園祭宵山)についての新知見だった(まあ祭りそのものとは関係ないのですが)。
それにしてもすごい人だったが、今年は先述の好条件もあり、観光客の出足は昨年比でだいぶ増えたそうだ。みなさん京都に観光に来てどんどんお金落としていってください、京都にはそれくらいしか「外貨」稼ぐ手段がありませんから、そのための人混みなら私我慢します、と思える程度には「愛京心」が出てきた、私。
一方、屋台(テキ屋)について昨日気が付いたことだが、最近の屋台は商品が大型化し、その分、値段があがっている。焼き鳥とかも(地鶏云々とか謳って)ソテーにするくらいの大きさの肉が四つくらい刺さっていて500円なり(それにしては逆に安いので「出所」が気になって食べる気がおこらないのだが)。他のメニューとかもそんな調子。やたらとでかくて、あるいはでかさで勝負できないものは高級感的な「演出」があって、高い(かき氷がセルフサービスで蜜入れ放題とか)。確かに今の時代、100円とか200円でチマチマ商売していても、ダメなんだろうね。こちらも小さいのをチマチマ食べてもそれなりに満足してしまうからね。おそらく祇園祭以外のテキ屋さんの屋台も同様な傾向なのだろう。いずれにせよ、こっちは屋台の買い食いと思って油断していると、すぐにお腹が一杯に(かつ財布が軽く)なってしまうので、多少の計画性が必要。そういうの一番苦手な私。お祭りの時くらい(それなりにいつもかもしれないが)いきあたりばったりでやらせてくれ。
今日(土曜)はお昼まで山鉾巡行をみた。御池通とか四条通とかのいわゆる大通りではなく、普通の通りでみたのだが、同行した友人が知っている穴場スポット(とある事情で建物の敷地内に入って通りを眺められる場所、かつ日陰付き)があってそこからみた。ちなみに今日気付いたのだが、こういう小さな通りって、歩行者白線の幅とか、電柱のでっぱりとか、すべて祇園祭仕様になってるんだよね。きっと他の通りは山鉾は通れないんだろうな。ある意味、京都という街自体が祇園祭仕様とも言えるのだが。今日見物した場所は地元では有名なようで、うちは初めて知ったけど、毎年そこでみてる人が多い模様。知り合いとか幼稚園の先生とか知った顔が続々と集まってくる。あえてここには書かないけど、本当に穴場です(もっともきょうびtwitterとかで簡単にタイムリーに情報流出しているはず)。ただ山と鉾を全部(全種類)見ようとするとキリがないので(三時間くらいで見れるはずなのだが、炎天下で子供にはきつい)半分くらいみて引き揚げる。時間も遅めだし、ふだんの調子なら昼は外食にしたいところだが、自転車侵入禁止になっているエリアが多そうな上に、店も全般的に激コミだろうから、無難に帰宅。
帰ってきて、一家四人で、そうめん(うちはいつも半田めんなんですが)を大量に湯がいて食べた後、下の子はいつものように泣きながら昼寝に落ちる。私もそれに合わせて昼寝。上の子は先ほど別れた友達の家に遊びに行き、嫁さんはそれを自転車で送る。嫁さんが娘を預けて帰ってくる道すがら、洋菓子を買ってきてくれたので、昼寝から起きてコーヒーをいれて二人でそれを食す。最近、何つーか、夫婦ともども、子供がいない時間が幸せでしょうがないんですね(笑)。この境地に達するのに五年かかりましたが、これが長いか短いかは不明。下の子が幼稚園に入って子供が昼間いなくなったら、あそこに行こうとか、あれ食べようとか、そんな話題ばっかり(上の子の前ではできないんだけど)。われわれは子供無しでの、つまりカップルでの京都というものを体験したことがないので、余計に期待度が高いのかも。
夕方、私だけ外出して河原町へ。東京から音楽学者の某知人が、某新聞上に京都市交響楽団の演奏会評を書くのでそれを聴くため、という、まことに優雅な「仕事」のために奥さん(某美人歌手)を連れて京都に来る。で、その新聞社の方(記者)が、接待モードで鴨川の「床」を予約してくれたので、同席した私も恐縮しつつ、遅ればせながら「床」初体験。すなわちそれは、京都にいる私の友人や同業者、職場関係者は誰も連れてきてくれなかったということですよ(笑)。でもって、御礼に、と言うわけではないが、自分も久しぶりに行きたいので、三次会として、「京都のゴールデン街」と私が勝手に名付けた「四富会館」内の某飲み屋(カウンターのみ、定員六名)にご案内してさしあげました。これが皆さんに予想外に喜んでもらえたので、他を全てセッティングしてもらった私としては、たかがそれだけで、京都在住者としての面目躍如のつもりになっております。
よし、今年の夏は京都を存分に味わっちゃうぞ!というわけで、気分はすっかり夏休みなのですが、それにはまだまだ気が早く、明日から月末まで仕事がびっしりなので、もう一踏ん張りしないと。八月は何回か東京行きますので、そちら方面の方はぜひ呑みましょう。