酒飲み(DA)急募!(但し泡盛限定)

aesthetica2009-04-11

えーと、表題の通り、やんごとなき事情により、酒飲みの方(DA=Drinking Assistant)(但し専門領域は泡盛に限定)を急募します。勤務地は私の自宅です。プロアマ問いません(ただし当方ではできればアマを希望)。おつむは悪くて上等ですが、体は丈夫な方に限ります。申し訳ありませんが無給です。が、ただで最高級の泡盛が飲めます。さらに運さえ良ければ(=嫁さんの機嫌が良くかつシラフであれば)「京風」家庭料理も付くかも知れません。
事の発端は一年半前のこと、うちで二人目の子供が生まれた折に、沖縄の友人達(久万田さん、清村さん、久保田(法田)さん)が連名で、熟成カメ貯蔵泡盛を贈ってくれました。アルコール度数は43度の瑞泉古酒、3升のカメです(写真参照)。いくらうちの嫁さんが酒豪で知られるとはいえ、一人目と同様に、二人目も母乳で育てるからしばらく断酒、ということは皆さんもご存じだったのではないでしょうか。にも関わらず、まさに「贈与の一撃」と言ってよい、この素晴らしい贈り物です。一時はこのままこいつを出家させるしかない、とまで思ったほどです。本当にありがとうございました。
昨年三月末、京都に引っ越してきた時点でもまだ嫁さんは母乳を続けていたので(理由=引越作業で離乳食を作る手間が惜しく、母乳だと手間いらずだから)この頂いたダンボール箱はやむなく未開封のまま「台所:泡盛(ワレモノ)」と太マジックで直書きされた上、引越し業者が訝しがりながら恐る恐る東京から運んでまいりました。これは途中で割れたりしたら(色んな意味で)一番困るんで、と再三申し添えたことは言うまでもありません。
で先日、うちで四家族+アルファ(大人8人、子供5人)を集めて一大パーティ(「第一回かしまし会」)を催した際、京都に来て一周年&これまで最大の来客数を記念して、とうとうカメを開封しました。するとこれまでさんざん飲んできたビン詰めの泡盛(古酒)とはまったく違うんですよ、もう薫りから舌触りから味までがすべて。栓を外した途端、ぷーんと良い香りで、うちの娘(四歳)まで「いいにおーい」と大人ぶってのたまわったくらい。沖縄で飲んだ泡盛は美味かったなーという記憶があったのですが、それは単なる追憶や旅のアウラではなく、カメの泡盛はすべからく美味いという端的な事実が発見されました。一応、その場で全員ロックでガブガブ飲んだわけですが、車で来てる人がいたり、そもそも子連れの会だったので、予想以上には減らなかった訳です。というか、私が張り切りすぎたというか、会の趣旨を見誤ったきらいがあり、大きく予想以下でした。多分、4リットル半以上はまだ余っているのではないでしょうか。
というのも何より、「3升(5.4リットル)」という分量が「43度の蒸留酒」にしていかほどの量であるのか、私には身体的に想像不可能だったからです。ビールや果実酒(ワイン)や清酒(日本酒)ならまだしも、私が日頃比較的口にすることが少ない蒸留酒でこの分量は、ちょっと表象の限界を超えていました。まさにカントはこういう事態を「崇高」と呼んだのでした(「崇高とは、そのものを考え得るということだけでもすでに感官のいかなる尺度をも超過するような…」、『判断力批判』第25節)。
頂いた当初から「これいくらくらいするのかな? お返しどうしようか?」と嫁さんと恐縮していたのですが、今になってようやく調べることができまして、ここのサイトでは26,145円だそうです。善良な一般市民の家庭にはどう考えても不釣り合いな存在感と薫りを放つ、こんな崇高なものを、本当にどうもありがとうございました。おかげで嫁共々、廃人になった暁にはどうかよろしくお願いします。
繰り返しになりますが、これをうちだけで飲み切るとなると、私の身体(脳、肝臓)や仕事(研究、校務)に大きく差し障りがあること間違い無しなので、お手伝い頂ける酒飲み(DA)を広く公募させて頂く次第です。カメは重くて持ち出しが困難(というか全部飲み終わってカメ自体がどの程度の重さなのか皆目不詳)なので勤務地は当面、自宅限定とさせて頂きます。勤務時間は朝九時から夕方五時頃まで、というのはもちろん冗談で、もうちょっと遅くまで一緒に飲みましょう。さあ、二条城前でボクと握手! ゴールデン・ウィークあたりでもいいです。ガチです。Bitte Hilfe!