退会届

この度、東洋音楽学会を退会しました。長らく幽霊会員で、会費も滞納し、督促も放置していたのですが、知り合いの某理事の方より最後通牒(“To be or not to be?”)を頂いたので、これまでの関わりなどを考えるとちょっと悩みましたが、中途半端な状態は双方にとって良くないと考え、思い切ってけじめを付けることにしました。たしか入会時に推薦の労を執って頂いたのは久万田さんだったように記憶しております。相済みません。
退会届なんて多分生まれて初めてなので、書式を一から調べて書く。で、署名の後には、何となく実印を押してしまう。そんな気分。
思い起こせば、この学会では、機関誌『東洋音楽研究』に論文を一本書かせて頂き、音楽学会との合同例会でのシンポジウム(原武史さんを招いて行った国歌のやつ)で喋らせて頂き、近代日本音楽思想関係の学会発表のレポート執筆を幾度かやらせて頂きました。どれも楽しかったですし、私の大事な業績の一部となっております。研究者として自分のなかの「殻」を破り、インプットとアウトプットと芸風とネットワークの幅を一気に拡げることが、おかげさまで、できたつもりでおります。若い頃に西洋音楽研究をやって歳を取ると「日本回帰」するというパターンの人達はたくさんいても(私はそういうエスタブリッシュメントのパターン自体を批判したかったのですが)、西洋のことをやりながら同時に日本のことをやる、というスタンスの人は当時はほとんどいなかったと記憶しています(今はいるのかな。だとしたら嬉しい変化ですね)。そんな私を受け入れてくれたこの学会には、当時も今も大変感謝しています。
他学会(音楽学会等)での仕事が軽減され、自分の研究関心が再び日本音楽の分野に向かうようになったら、改めて復帰させて頂き、そのときはもっと積極的に関わって行きたいと考えておりますので、しばしのインターミッションということで、関係者の方々、よろしくお願いします。