最近はこんな感じです。

・年明けから怒濤の日々でした。ようやく更新できると思ったらもう二月ですよ。今回は日記形式ではなく、箇条書きで近況報告をします。
・哲学者エマニュエル・レヴィナスの息子で作曲家兼ピアニストのミカエル・レヴィナス氏が五月に初来日するのだが、その際、演奏会を開催したいのだがどうしたらよいのか、という依頼がひょんなことから私に来る。日本のレヴィナス研究(もちろん哲学の方だが)の第一人者である方から電話を頂き、趣旨をお聞きした上で、あちこちに電話をかけまくる。時期が迫っている上に、プロモーションにお金がかけられないので、なかなか大変である。結局、音楽事務所ではなく、大学関係の人脈を辿って、ということになる。この日電話をかけさせていただいた方々、本当にお世話になりました。それと、この日は幾つかの仕事の用件を並行して電話をかけていたので、ほぼ一日中電話をしていた。
・この時期の大学人の常として、私も授業の採点、入試業務、来年度のシラバスなどで追われる。さすがに四つの大学で授業を持っていると、どの授業の分がまだ済んでいなくて、どこの締切がいつだったかなど、すっかり分からなくなってしまい、先方から電話で催促される毎日。おまけに必要な書類が部屋のどこに転がっているかも、不明な状態。明らかに自分のスケジュールが管理できなくなりつつあることに危惧。多摩美でやってる美学は受講生が220人で、私にとって過去最高人数で、とくに大変だった。あと今年初めて講義をした大学で、点数を「一点刻み」で付けるところがあり、それもけっこう消耗した。
・来年、早稲田で授業を持つのだが、ゲストスピーカーを何回か呼ばなくてはならないとのことで、音楽関係の知り合い(実は意外に少ないのだが)にぼちぼち声をかけてみる。ゲーム音楽の制作も手がけているミュージシャンの方、最近活躍がめざましい若手作曲家の方などに今のところお願いしてみた。後期の授業なのでまだ先ですが、きちんと決まり次第、お名前も出すかたちでご案内します。あと、これからお願いする方もあるかと思います。
・2007年の音楽シーンを予見する、というテーマで某有名サイトから原稿を依頼される。あまり最近の音楽のこと知らないしなあ、と一瞬躊躇したが、よく考えたら、シーン全体が分かっている人なんていないし、みんな条件は同じだと思ったので、お引き受けすることに。せっかくなのでこの機会に色々勉強しようと思い、若い友人達から意見を聞いてみたり、アーチストに電話とメールで簡単な取材をしたり、日頃しないことをやってみる。
・三月に某協会でオリンピック芸術についての講演をするので、江文也の『台湾の舞曲』の録音を探しているのだが、まだ入手できない(まだ真剣に探していないので、意外に手にはいるかもと期待しているが)。ピアノ版も出ているらしいが、できれば管弦楽版がいい。この講演、一般の方々の聴講が可能なのかどうか分からないのですが、もし可能ならば、そのうちここでアナウンスします。
・うちのすぐそばにある宝幢院(ほうどういん)というお寺で、節分祭があったので、家族で行ってみる(こんなHPもあった。http://www.kitanet.ne.jp/~kiya/paper/pp21.htm)。去年までは赤羽でも別のエリアに住んでいたので、こんなイヴェントがあるのは知らなかった。いつもは境内もガランとしていて静かなのだが、今日は消防団員の人が出て、境内に集まる人達を仕切る。ガキが大半。日能研のバックをもった塾帰りの子供らもいる。お目当ては壇上から投げられるお菓子やオモチャ、お捻り。投げるのは寺の関係者の他、区議会議員や地主などいわゆる地元の名士達だ(下からは「××さーん、こっちに投げてえ」とローカルな声が響く)。この祭りでは当然豆も投げられるのだが、それは「ハズレ」で誰も拾おうとはしない。なぜかボールも投げられ、それがガキには一番人気。「豆を投げ返さないでくださーい」という消防隊員の声もする。もはや節分とかどうでもよくなっているようだ。私も娘を抱っこして前に行ってみたが、押されるし危ないので、一旦娘とバッグを相方に預け、勝負モードで前線に出、それなりの収穫を得る。そして豆まきが終わるや否や(儀式自体はまだ続くのだが)潮が引くように去っていく群衆達。前に隣に住んでいた奥さん(旦那さんは壇上で投げる役をしてた)がお汁粉と甘酒を配膳していたので頂く。この祭りで福豆(小さな袋入り)を二袋ゲットしたので、それを使って夜うちで豆まきをする。夕食は恵方巻といわしを食べる。
・節分の日の午前中、美容院に行く時間がようやく取れて、朝起きると「おとうさん、頭に海苔がついてるみたいだねえ」と娘に揶揄される状態をようやく脱する。行きつけは赤羽にある某チェーン店で、いつも切ってもらっているのはその会社でもかなり上の方にいるスタイリストの方。彼は会社の経営にもかなり深くコミットしており、すぐにでも独立できる実力と見識の持ち主。こちらの職業を知っているためもあり、話はしばしば「理髪文化論」みたいなところにいく(後は地元の話か、子育ての話)。現在、フランチャイズの海外進出を検討中で、今回は日本の美容院システムの長所と短所を語ってくれた。人種によって基礎体温が異なるので欧米では髪染めの溶液の種類が多様であるとか、従って薬事法の基準が日本とはまったく違うとか、日本の美容師は髪が黒い人しか相手にしないので国際的競争において不利だとか、なかなか興味深い。何だか毎回話をしに行っているようなものだが、相方いわく「彼はあなたのキャラまで分かった上で、似合うように切ってくれる」とのことだし、まあ当分はここで良いだろう。まあ何にしても、すっきりしました。