日本音楽学会

土日は明治学院大学で日本音楽学会の全国大会。
発表は二日目の午前。
題名は「1840年前後のドイツの音楽界における「歴史の終焉」意識の諸相」。
無事終了。質疑応答は噛み合わないながらも、そこそこ盛り上がったので良しとする。
噛み合わない最大の理由は、端的にいうと、質問者が言語論的転回という言葉を知らないため。
何がリアルな研究対象か、という部分で、こちらの前提と完全にずれていた。
議論自体は、実証主義歴史学に対する構築主義的立場からの批判を教科書的に並べてしまえばそれで片づいたはずだが、尊敬している先達なので、できるだけ丁寧にスタンスの違いを確認しようと思い、それは止した。

毎年そうなのだが、音楽学業界のなかで自分がどういう位置に立っているのかを改めて確認できる数少ない好機。
業界が狭いだけに、ほぼ「全員集合」といった感じ。それゆえ懇親会での立ち位置が、そのまま業界内の立ち位置である。
とはいえ今年は、知らぬまに自分がどういう位置に「立たされ」ているのかを思い知らされ、考えさせられること多し。とくに去年出ていないために隔世の感あり。

人的な収穫、数人。うち一人は永く関わりそうな予感。
研究発表とは関係ないところで、いろいろ疲れることが多い大会だった。