極東のユダヤ人自治区

aesthetica2005-04-23

今日、とある学会の例会傍聴記を書く仕事をしていて、その発表が満州に関わるものだったので、世界地図でその辺りを眺めていたら、すごいものを見つけてしまった。
それはロシア極東部、黒竜江沿いにある「ユダヤ自治州」である。

どうしてこんな場所に、ユダヤ自治区が?と思って調べてみたら、レーニン時代の民族移住・自治政策(あえて縁もゆかりもない土地に集団移住させる政策)で、ユダヤ人が集団移住したとのこと。だがその後、1930年代にスターリン政権のもとでユダヤ文化は抑圧され、今ではユダヤ系住民は全体の2%程度らしい(大半はロシア系、ウクライナ系、朝鮮系住民)。とはいえ驚くべきことに、今日でも、イディッシュ語(簡単に言うとユダヤ風に訛ったドイツ語、いわばゲットー語)の新聞が出たり、ラジオ放送が行われているということだ。

社会主義自体も壮大な「実験」であったが、こうしたかたちでの民族移住・自治というのも、歴史上例をみない試みなのではないか。そもそも、人口のわずか2%なのに「ユダヤ自治州」とは、一体、住民のアイデンティティはどうなってるのだろうか?

というわけで、このユダヤ自治州、めちゃくちゃ行ってみたくなった。